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平和の いのり 

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「平和のいのり」

石に刻まれた家族の名に

涙を落とす祖母

なんの形見も残っていない石に

声にならない声で

石をさすり

石をだきしめる

小さな声でとても小さな声で

「本当は話したくないサー」

少し首をかしげて

空を見上げる

人さし指の大きさの大きな傷

あごと左腕に残る

戦争の傷あと



祖母は傷の手当てをするために

水くみに行った

防空ごうに姉を残し 母と二人で

そのあとすごい光と音が・・・

そのまま姉はもどらなかった

「いっしょに連れて行けばよかった」

「ごめんね ごめんね」

と何度も何度も

きたときよりも

石を強くさすり

石を強くだきしめる

ぼくはもう声を上げて泣いていた

そして祖母の背中をずっとさすった

こんな青い空に

こんなおだやかな沖縄に

戦争は似合わない

祖母のくしゃくしゃな涙も

似合わない



そんな祖母はもう今は歩くことが

できない

毎日毎日空を見て

きっと

生きている喜び

生き残った悲しみを感じて

いるのだろう

ぼくは車イスをおして

祖母のいのりを引きつぐ

戦争のない平和な国を

(琉球新報 2009年6月17日付けより)

(比根屋憲太君の作品 「平和の いのり」)

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